Q5.塗料の材料って何を選べばいいの?

今回のテーマは「材料」です。一口に外壁塗装と言っても使う材料によって
値段、性能、耐久年数等が変わりますので、参考にしてみて下さい。

✅水性塗料と油性(溶剤)塗料について

これは中に含まれる成分を、
水で混ぜている(水性)かシンナーで混ぜている(油性)か、の違いです。
(※価格的には油性の方が少し高いものが多いです。)

この水やシンナーは乾燥の際に揮発(蒸発)して行き塗膜には残りません。
良く水性は水に弱いから外壁には向いていないのではと言われる事がありますが、確かに塗装の最中に雨に降られると流れたりもしますが、乾燥すれば問題ありません。
水性のペンを使う時に書いている最中に水が付けば滲みますが、乾いてしまえば水が付いても滲んだりしないのと同じです。

性能的には油性が強いとも言われますが、最近では水性でも高性能のものが多く出てきており、
何より環境に優しいので水性塗料が使用される場合が多いのです。
ただし、塗装する素材・状態によっては水性だと付着しにくいであるとか、油性だと塗装する面を溶かしてしまうとかそれぞれにメリット、デメリットもありますので、用途や素材によっても使い分けを検討してみてください。

一般の外壁塗装には水性で特に問題ありません(^^)
屋根の場合は屋根材・状態によってどちらかを選択、樋や雨戸等の付帯塗装部分には油性をお勧めします。

✅着色を目的とする塗料について

使用される樹脂によりアクリル、ウレタン、シリコン、ラジカル(これは樹脂の名前ではありません)、フッ素、無機(これも樹脂の名前ではありません)に分けられます。
その樹脂の違いで性能や耐久年数が変わったりします。メーカーや商品によって差はありますが、

・アクリル 約5~7年

・ウレタン 約7~8年

・シリコン 約10~12年

・ラジカル 約12~15年

・無機   約15~25年

・フッ素  約15~20年

ぐらいが大体の耐久年数の目安だと思います。
価格は上から順に徐々に高くなって行きますが、無機からは急に高くなります。
基本的な工程はあまり変わらないので塗る手間賃は同じです。
(下塗り1回、上塗り2回を施工仕様とした材料を対象としてます)
高い材料を使うから手間賃が余計にかかるなんて事はありません。
※ただ工程の増える材料はその分手間賃がかかります

その基本的な工程の塗りの手間賃に材料の価格が乗るのですが、あるメーカーの塗料を参考に計算してみますと、
ウレタンで1缶約7000円、1缶で塗れる面積が約50㎡なので㎡あたり140円。
シリコンで1缶約12000円、1缶で塗れる面積が約50㎡なので㎡あたり240円。

つまり㎡当たりでは100円程度の差。

通常の2階建ての戸建ての外壁塗装面積が約150㎡とすると材料を変えても総額で15,000円程しか変わらないのです。

外壁塗装をする際には通常足場を組みます。
足場だけでも10~20万はかかります。
せっかくお金をかけて足場を組むのであれば少々高くても『できるだけ耐久年数のある塗料の方が塗りかえるサイクルが長くて済みます』のでコスパは良いと思います(^^)
注)ただしフッ素は材料費が高額な物が多く、ぐ~っとお値段が高くなったりします。

さて、上記の材料の中でよく使用されるのがシリコン塗料です。
最近ではそのシリコンにさらに対候性を持たせた『ラジカル塗料』が人気です。
各メーカーも様々な商品を出しております。

ただ正直パンフレットを読んでも、ラジカルって何なのか説明が難しいものが多くてよく分かりにくいんですよね(^^;)
簡単に説明しますと、このラジカルと言うのは樹脂の名前では無く従来の樹脂(シリコン等)にプラスアルファを加えて性能を高めたものです。
従来のシリコン塗料よりも1缶で1,000円~2,000円程高くなる程度で対候性が高くなるのでコスパも良く、今人気の塗料になってきているのです(^^)

また『無機』も樹脂の名前ではありません。
通常の塗料に使われている樹脂には有機物(炭素を含むもの)が使用されており、これが劣化の原因となります。
無機塗料には炭素を含まない無機物(セラミックやケイ素)が配合されており耐久性が長いとされております。
しかし実際には無機物だけで塗料を作ることは出来ないので、有機物も混じっております。
また配合の度合いも商品により様々なようなので、無機塗料を検討する際には注意した方が良いと思います。

今回は基本的な着色を目的とした塗料について書きましたが次回は機能的塗料についてお話したいと思います(^^♪